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喫茶くろねこ

第14章 キジトラ:虎太郎

それからしばらく、マスターと虎太郎が鼻を突き合わせて何やら小声で会話していた、が、二匹でこちらに向きなおると、マスターがまず僕に話しかけてきた。

『恐らくだが、虎太郎からのテレパシーがキャッチできるのは、佑太と美佳ちゃんの二人だけになると思う』

なんで僕と中井さんだけ、って言えるんですか?

『最初に言っただろう。お前は“受信感度が高い”と。それと、美佳ちゃんは、トクベツな力を持っているしね」

トクベツな力?

『彼女はレオンの言葉もわかっていただろう。彼女は、たぶん魔女ではないかと思う』

えぇっ、魔女!?

『違うかな?』

知りませんよ!!僕に聞かないでください。

魔女かぁ。…ってことは、水晶玉で人の生活を覗き見たり、大きな釜で妖しい液体を煮込んで変な薬を作ったりとかするんだろうか。

『しないと思うぞ。てか、お前の魔女イメージ偏ってんなぁ。どっちかっていうと箒で空飛ぶほうを先に思い浮かべないか?』

え、中井さんって空を飛べるんですか?

『本人に聞いてみろ』

なんて言って聞くんですか。いきなり「空飛べるんですか?」なんて聞いたら変でしょ。

『お前、そんなこと気にするのか。意外と細かいな』

細かくないですよ。気にしますよ!

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