喫茶くろねこ
第17章 中井さん、どうする?
「話すことで、少しでも気分が晴れるんなら、話ぐらい聞きますよ」
「下地君って、なんだか女の子みたいね」
「僕が、女の子ですか?」
「よく言うじゃない。女の人は、ただ愚痴を聞くだけってのが出来るけど、男の人はただ聞くだけってのを嫌がって、とにかく解決策を提示したがるって」
「だって、もう解決はしてるじゃないですか。浮気現場を見たから婚約を破棄したんでしょ?じゃあ、それはそれで一応解決はしてて、でもなんかモヤモヤするから吐き出したかった。だからこの場合は、吐き出すことそのものが解決策。僕は、ただ聞けばいい」
「そっか。そうね…。あ、猫集会、そろそろ終わりそうね」
集まってくつろいでいた猫達が、1匹、また1匹と立ち上がって去って行く。
「僕らも、そろそろ行きませんか?」
立ち上がって、中井さんが最初に指さした方向を指さす。
「…え?」
「憂さ晴らし、したいんじゃないですか?」
「そんなこと…」
言いかけて止める。しばらく猫の後ろ姿を眺めながら何か考えていたようだったが、こちらに向きなおると
「そうね!はっちゃけちゃお!!下地君、だいじょぶ?」
ニカッと笑う。すっごく楽しいイタズラでも思いついた子どもみたいな表情だ。
「行きましょう」
僕は、中井さんの手を取った。握り返されて急に緊張する。まるで幼稚園児の遠足のように二人で手をつないでラブホテルのある方向へと歩き始めた。
「下地君って、なんだか女の子みたいね」
「僕が、女の子ですか?」
「よく言うじゃない。女の人は、ただ愚痴を聞くだけってのが出来るけど、男の人はただ聞くだけってのを嫌がって、とにかく解決策を提示したがるって」
「だって、もう解決はしてるじゃないですか。浮気現場を見たから婚約を破棄したんでしょ?じゃあ、それはそれで一応解決はしてて、でもなんかモヤモヤするから吐き出したかった。だからこの場合は、吐き出すことそのものが解決策。僕は、ただ聞けばいい」
「そっか。そうね…。あ、猫集会、そろそろ終わりそうね」
集まってくつろいでいた猫達が、1匹、また1匹と立ち上がって去って行く。
「僕らも、そろそろ行きませんか?」
立ち上がって、中井さんが最初に指さした方向を指さす。
「…え?」
「憂さ晴らし、したいんじゃないですか?」
「そんなこと…」
言いかけて止める。しばらく猫の後ろ姿を眺めながら何か考えていたようだったが、こちらに向きなおると
「そうね!はっちゃけちゃお!!下地君、だいじょぶ?」
ニカッと笑う。すっごく楽しいイタズラでも思いついた子どもみたいな表情だ。
「行きましょう」
僕は、中井さんの手を取った。握り返されて急に緊張する。まるで幼稚園児の遠足のように二人で手をつないでラブホテルのある方向へと歩き始めた。