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喫茶くろねこ

第19章 楽しく、猫ライフ

猫にまみれて、がっつり猫ライフを堪能しながら、バイトに勤しみ、大学も優秀な成績とは言えないまでも、なんとか単位だけは落とさないように気を付けながら、僕もついに最終学年になった。

…と言うことは、卒業論文。つまり、卒論だ。卒論を書かなくてはならない。もちろん、就活も同時進行だ。

卒論は、猫の曲線美、造詣美と動きのしなやかさについての研究を書くことにした。芸術系の学科なので、卒論の代わりに卒業製作といって作品を作って提出することも可能だ。
最初はそれも考えたが、作品だと一体の猫しか表現出来ない。それよりも写真と文書と図で構成することで、読んだ人間が、それぞれ自分が過去に出逢った猫たちを想定しながら読み進められるようなものにしたくて、論文を選んだ。

就活は難航中だ。やりたいと思える仕事がなかなか無い。そもそも地元に帰って就職するのか、今住んでる場所で就職するのか、そこからして決まらない。やりたい職種も特にない。猫に関わる仕事を何かしたいが、ペットショップだと、猫だけでなく犬や兎、鳥(インコとかオウムとか…)も含めて全般的に愛玩動物と関わることになる。犬や兎はまだ平気なんだけど、鳥が…嘴でつつかれそうで怖くて…苦手だから。猫専門の動物園の飼育員なんて仕事あったら最高なんだけど、そんなのないし…。あ、猫カフェの店員…だったら喫茶くろねこで今のまま働いてりゃいいしなぁ、なんてことをつらつら考えている。

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