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喫茶くろねこ

第6章 春 ~母と猫と入学式~

佐々木さんが案内してくれたホームセンターは充実の品ぞろえだった。一角に百円均一コーナーもあり、わざわざ他の百均ショップに行かなくても一軒で予定していたモノが全て揃ったので助かった。

そのあと、何故か動物病院によるという。

え?動物病院?

『私のご飯を買いに行くのだ』

まさか、キャットフード?マスター、キャットフード食べるの?

『猫がキャットフードを食べて何が悪い?』

え、でも、キャットフードならさっきのホームセンターにもありましたよ?

『あんな不味くて体に悪いもの、食えるか!私が食べるキャットフードは、動物病院で取り扱っている穀物不使用、防腐剤無添加の安心安全キャットフードのみだ!あとはまぁ、スーパーとかで買うなら鶏肉かな』

鶏肉…。魚じゃないんすか…。ていうか、不味くて体に悪いってキャットフードのメーカーから抗議されるよ?

『どこのメーカーとか言ってないから、セーフだ。あと、猫科は元々、肉食の動物だ。猫が魚好きなんてのは、日本人だけが持ってるイメージで、世界的には結構珍しい認識なんだぞ』

動物病院につくと、佐々木さんに量が多いからついてきて運ぶのを手伝ってくれと言われた。想像よりも大量のキャットフードを購入する。

マスター、体格のわりに大食いっすね?!

『私一人のではない。保護猫達の分も一緒だ』

あ…。そうだ、保護猫がいるって言ってたな。

「えと、エサ代って佐々木さんが払うんですか?」

「まさか。立て替えてるだけで、あとからちゃんと貰うよ。あ、お前もそのうち買い物頼まれることあると思うから、レシートは必ず取っておくんだぞ」

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