喫茶くろねこ
第6章 春 ~母と猫と入学式~
翌朝。
僕が目を覚ますと、母はもういなかった。山路さんから借りていた布団もきちんと畳まれて部屋の入り口近くに積まれていた。
店…かな…。
僕はとりあえず顔を洗い、服を着替えた。ジーンズとパーカー。
下へ降りる。
店に入ると、ニコルスと佐々木さんが食事中だった。
「あれ?母さんは?」
「お前の母親なら、もう帰ったぞ」
「え!?」
「部屋になんかメモとかなかったのか?」
「え?!」
慌てて部屋に戻る。が、特に何もない。と思ったら、ケータイがチカチカと光っているのに気が付いた。
開く。新着メール1件。母さんからだ。
『佑太へ。今日は地元で町内会婦人部の集まりがあるから、もう帰ります。借りたお布団のクリーニング代を黒猫マスターさんに渡しておきました。早朝から個人宅へあがるのも失礼なので、お布団はあとで佑太から山路さんに返しておいてね。また入学式の日にこっちへ来ます。しっかりね!』
…帰ったんだ。ケータイを持って再び店へ降りる。
『佑太、朝食出来てるぞ』
マスターが、自分で作った訳でもないだろうに、どや顔で案内してくれる。そうだ、3食賄いつきバイトだから、朝飯食えるんだ…。
「今週の朝食は俺が当番だ。ピザトーストとサラダとコーヒーな」
「え、賄いメシ作るのって当番制なんですか?」
「そうだ。お前もそのうち作るんだぞ」
「え、僕、料理なんて出来ないっすよ」
「大丈夫だ、教えてやる」
僕が目を覚ますと、母はもういなかった。山路さんから借りていた布団もきちんと畳まれて部屋の入り口近くに積まれていた。
店…かな…。
僕はとりあえず顔を洗い、服を着替えた。ジーンズとパーカー。
下へ降りる。
店に入ると、ニコルスと佐々木さんが食事中だった。
「あれ?母さんは?」
「お前の母親なら、もう帰ったぞ」
「え!?」
「部屋になんかメモとかなかったのか?」
「え?!」
慌てて部屋に戻る。が、特に何もない。と思ったら、ケータイがチカチカと光っているのに気が付いた。
開く。新着メール1件。母さんからだ。
『佑太へ。今日は地元で町内会婦人部の集まりがあるから、もう帰ります。借りたお布団のクリーニング代を黒猫マスターさんに渡しておきました。早朝から個人宅へあがるのも失礼なので、お布団はあとで佑太から山路さんに返しておいてね。また入学式の日にこっちへ来ます。しっかりね!』
…帰ったんだ。ケータイを持って再び店へ降りる。
『佑太、朝食出来てるぞ』
マスターが、自分で作った訳でもないだろうに、どや顔で案内してくれる。そうだ、3食賄いつきバイトだから、朝飯食えるんだ…。
「今週の朝食は俺が当番だ。ピザトーストとサラダとコーヒーな」
「え、賄いメシ作るのって当番制なんですか?」
「そうだ。お前もそのうち作るんだぞ」
「え、僕、料理なんて出来ないっすよ」
「大丈夫だ、教えてやる」