テキストサイズ

喫茶くろねこ

第9章 夏 ~恋の季節と、占いと~

マスターと佐々木さんのコンビは危険だ。いろいろ見透かされまくって気疲れする…。
やっぱり僕は、猫部屋サイドで猫のお世話してる方がいいなぁ、店に出てるよりも。
あっ、もしかして中井さんもそうなのかなぁ。中井さん、ほとんど喫茶の仕事してないもんなぁ。

『美佳ちゃんは猫のエキスパートだから良いのだ。お前はただの小間使いなのだからしっかり働けよ』

うわわ!マスター!?

『遠隔テレパシーの存在を忘れたのか。まだ幾らも離れてないんだからな。まる聞こえなんだよ』

すっ、すみません~。ごめんなさい~~~。


―――――マスターの遠隔テレパシーの交信可能範囲を抜け、ようやく大学へと辿りついた。
ここならマスターの遠隔テレパシーは届かないし、佐々木さんもいないし、あ、ニコルスはいるかもしれないけど、とにかく僕が羽を伸ばせる憩いの地、オアシスだ~。
千夏ちゃんという天使にも会えるしね♪

僕が上機嫌でキャンパス内を歩いていると、横を1台の乗用車が通りすぎていった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ