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喫茶くろねこ

第9章 夏 ~恋の季節と、占いと~

マリンを連れて部屋へ戻る。

マリンは部屋に戻るまではおとなしく腕に抱かれていたが、部屋につくなり飛び降りて部屋の隅へと逃げていった。

打ち解けたと思ったんだけどな…。何があっての人間不信なんだろう。

冷蔵庫から冷やしたコップを取り出し、シンクに行って水を注いで飲む。…ぬるい。やっぱコップだけ冷やしてもだめかー。水から冷やさないと。氷、氷を入れればいっか。
冷蔵庫へ戻る。冷凍室を開けてから気付く。氷…作ってなかった…。

「なぁ~~ん」

マリンの声で振り向くと、シンクのところにあがって鳴いていた。
もしかして、水が飲みたいのか。

蛇口をひねって水を流してやると、器用に飲み始めた。そんなマリンの様子を観察しながら僕も水を飲む。

そろそろ寝るか。風呂はどうしよ…湯、溜めるのめんどくさいな。ま、シャワーでいっか。

マリンがまだ水を飲んでいたので蛇口の水は流したまま、バスルームへ移動する。

シャワーを終えて部屋へ戻ると。充分に水を飲んで満足したらしいマロンが流れる水に手を出して遊んでいた。

可愛い…が、水がもったいないのでもう止める。

「寝るぞ~」

宣言してからベッドに入る。リモコンで部屋の明かりを消す。

タンッ!

暗くてよく見えないが、マリンがシンクから飛び降りたのが音でわかった。どこか適当な場所で眠るのだろう。

そのうち、寝床替わりのクッションぐらい用意してやるかな。

そんなことを考えながら、眠りについた。

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