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喫茶くろねこ

第9章 夏 ~恋の季節と、占いと~

翌朝。

目を覚ますと、玄関ドアのところでマリンが待機?していた。

……外に出たいのか。

マリンの体の幅ぐらいの隙間を開けてやると、サッと出ていった。

それからいつものように身支度をして店へ顔を出す。

「遅い!!今日お前、当番だろが!!」

「はへっ!?」

「はよ、朝食作れ!」

すっかり忘れていた。佐々木さんにどやされながら慌てて朝食を作る。

今日のメニューは、ホットサンドに、ゆで卵、そしてコーヒー。
ホットサンドの中身はポテトとハムチーズの二種類だ。

男3人でもさもさと食べる。ニコルスはESSで楽しくやっているらしい。英語サークルのはずなのに、もりもりと日本語が上達している。食べ終わってすぐ、佐々木さんはバイトへ行くといって出かけて行った。はて、バイト??
佐々木さん、くろねこ以外に掛け持ちで何かやってんのか?

『単発のバイトだ。たまに行っている』

マスターが答えてくれる。相変わらず脳内読みが早い。

「今日の店番は?」
「ボクですよ」

ニコルスがにこにこしながら答える。

「大学は?」
「今日は講義ないのでー、店番しながらレポートやります」
『午後からは山路さんもくる。お前の出番はないぞ。さっさと大学へ行け。あとマリンなら心配するな、ちゃんと猫部屋に来て飯食ってるゾ』

「はいはい、行ってきます」

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