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喫茶くろねこ

第9章 夏 ~恋の季節と、占いと~

『ったく、注文の多いやつだなぁ~』
「あっはっは。マスター、下地君からかって遊ぶのはそれぐらいにしてやったら」

佐々木さんが助け舟をだしてくれた。

『うむ、まぁ、そうだな。まぁ、今日はもう帰って休んだらどうだ。猫達のブラッシングご苦労だったな』

「え?」

「あー、そうだな。客として来店してたはずなのに仕事の日以上に猫の世話してたな。お疲れさん」

「アノー、ボクモカエリマス」

「おぉー。ニコルス!今日はご苦労さん。あと1時間ぐらいで閉店だからそしたらメシな」

「ハイ。ユータ、カエリマス?」

「あ、うん、てかあと1時間ならこのまま店で待たない?」

「だったらちょっと早いけどもう閉店にするかー。客もいねぇし。ニコルス、看板下げてこい!閉店だ」

「ガッテンショウチノスケ」

…ニコルスはその変な日本語を一体どこでおぼえてくるんだろうか。

『佐々木がたまに吹き込んでるぞ。よっこいしょーいち、とかな』

…なんすか、それ。

『一昔前に流行ったギャグだ。知らないか?』

知りませんよ。

「おい、喋ってないで手を洗ってきて手伝え!飯作るぞ!」
「あっ、はーい!」




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