喫茶くろねこ
第9章 夏 ~恋の季節と、占いと~
30分後、閉店後の喫茶くろねこ店内で、『佑太の失恋を慰める会』と称した宴が行われていた。
「なっ、なんで僕が失恋したことになってるんですか!」
「猫にばかり構ってて千夏ちゃん放っておいたからフラれたんだろ?」
「違いますよ!フラれるも何も、元々千夏ちゃんには彼氏がいてですね…」
「やっぱり失恋じゃねぇか」
「失恋って言うか、そもそも始まってないんだから失いようがないわよねぇ?」
「えっ、なっ、中井さんっ!いつからいたんですか?!」
「ん?来たのは今。でもマスターが実況中継してくれてたから経緯は知ってるわよ」
「まっ、まま、マスターぁ!?」
珍しくマスターが喋らないと思っていたら、中井さんへの中継(遠隔テレパシー)が忙しかったから喋る暇がなかっただけだったようだ。
『まぁ、あれだな。話したこともないのに、見た目の印象だけで好意を抱いていたのが、実際に話してみたら興ざめしたんだろ』
「マスター、興ざめは言い過ぎですよ。そこまでのことじゃないです」
「そうだ、ユータもESS入りませんカ?」
それまで黙々と食事をしていたニコルスが唐突に話しかけてきた。
「へっ?」
「ボク、ESSで彼女が出来ました。ユータもESSで新しい彼女、作るです」
「なっ、なんで僕が失恋したことになってるんですか!」
「猫にばかり構ってて千夏ちゃん放っておいたからフラれたんだろ?」
「違いますよ!フラれるも何も、元々千夏ちゃんには彼氏がいてですね…」
「やっぱり失恋じゃねぇか」
「失恋って言うか、そもそも始まってないんだから失いようがないわよねぇ?」
「えっ、なっ、中井さんっ!いつからいたんですか?!」
「ん?来たのは今。でもマスターが実況中継してくれてたから経緯は知ってるわよ」
「まっ、まま、マスターぁ!?」
珍しくマスターが喋らないと思っていたら、中井さんへの中継(遠隔テレパシー)が忙しかったから喋る暇がなかっただけだったようだ。
『まぁ、あれだな。話したこともないのに、見た目の印象だけで好意を抱いていたのが、実際に話してみたら興ざめしたんだろ』
「マスター、興ざめは言い過ぎですよ。そこまでのことじゃないです」
「そうだ、ユータもESS入りませんカ?」
それまで黙々と食事をしていたニコルスが唐突に話しかけてきた。
「へっ?」
「ボク、ESSで彼女が出来ました。ユータもESSで新しい彼女、作るです」