喫茶くろねこ
第11章 佑太、実家に帰る。
前期試験も無事終わり、大学は夏休みになった。
ニコルスが、8月になったら一ヶ月ほど自分の国へ帰る、と言うので、他のメンバーはその前に休みを取っておく、という話になり、夏休みに入って早々に佑太は実家に帰ることになった。
次の日の午前9時の新幹線で帰ることに決まった日の夜、喫茶くろねこではささやかな宴(うたげ)が開かれていた。
表のドアには「貸切」の札が掲げられている。
お酒が入って上機嫌のニコルス。突然、とんでもないことを言いだした。
「ユータ、宿題です!」
「はっ!?宿題??」
「帰省の間に、お店で出せるレベルの料理をマスターして帰ってきてクダサイ」
「えっ、なんで…」
「そうだな、料理担当のニコルスが一ヶ月いないとなると…お前も少しは出来たほうがいいな」
僕は戸惑ったが、佐々木さんもニコルスに同意する。
マスターは、と見ると、マタタビの枝に興奮して、それどころじゃなくなっていた。
「そんなに逃げ腰にならなくても、料理って、やってみると意外と楽しいのよ? 出来なくてもいいから挑戦してみなさいよ」
中井さんにも諭される。実家に帰ったら料理の練習をしなくちゃいけないみたいな流れになってしまった。
ニコルスが、8月になったら一ヶ月ほど自分の国へ帰る、と言うので、他のメンバーはその前に休みを取っておく、という話になり、夏休みに入って早々に佑太は実家に帰ることになった。
次の日の午前9時の新幹線で帰ることに決まった日の夜、喫茶くろねこではささやかな宴(うたげ)が開かれていた。
表のドアには「貸切」の札が掲げられている。
お酒が入って上機嫌のニコルス。突然、とんでもないことを言いだした。
「ユータ、宿題です!」
「はっ!?宿題??」
「帰省の間に、お店で出せるレベルの料理をマスターして帰ってきてクダサイ」
「えっ、なんで…」
「そうだな、料理担当のニコルスが一ヶ月いないとなると…お前も少しは出来たほうがいいな」
僕は戸惑ったが、佐々木さんもニコルスに同意する。
マスターは、と見ると、マタタビの枝に興奮して、それどころじゃなくなっていた。
「そんなに逃げ腰にならなくても、料理って、やってみると意外と楽しいのよ? 出来なくてもいいから挑戦してみなさいよ」
中井さんにも諭される。実家に帰ったら料理の練習をしなくちゃいけないみたいな流れになってしまった。