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委員長はエッチでした

第6章 天使の笑顔





幸せな快感の中で
うち震えた。

夢中でお互い
抱きあって
繋がり合ってるのに

もっと近く
もっと深く
求め合う。



いつの間にか
隣の倉庫での声も
気にならなくなって

夢中で腰を振って
求め合う。



あたしの体の上で
余裕のない
表情の黒崎。



流れる汗と涙
熱い息づかい
獣のように
腰を振って
黒い瞳が輝く。



それなのに
「ごめん……っ」
何度も謝って
貪るように
唇を重ねる。



好きな人と
体を重ねる幸せを
はじめて味わう。



気持ち良くて
おかしくなりそう。



嬉しくって
涙が溢れるのに。


黒崎の涙は
違う涙のような気がする。



こんなに近く
繋がり合ってるのに
黒崎の心が
遠く感じた。



お互い絶頂を迎えて
体が離れた瞬間
黒崎はあたしに背を向けて
俯いていた。





「……彩香さん、ごめん……っ、
俺は……なんてことを……っ、
こんな場所で学校なのに……っ
彩香さんは、恐がっていたのに……っ」



「大丈夫だよ、あたしは、どんな黒崎でも、
好きだか……」




「責任取るから……っ」



………セキニン?
でた
また
この言葉。

黒崎の口から
何度も聞いた
嫌な言葉に
イラッとした。



なによそれ
責任って
なんなのよっ?



責任取って
あたしと一緒にいてくれるって?

過ちだと思ってるの?
弾みで
やってしまって
後悔しているって言うの?



ああもう
何がなんだか
黒崎が何を思ってるのか
分からない。



だけど
あたしは
最高に
幸せだったのに

黒崎は違うの?



何か言おうとして
泣いている
黒崎の背中を見て
言葉を飲み込む。



だって
なんて言ったらいいのか
分からない……。




あたしは
ふらりとした足取りで
黒崎を残して
体育館倉庫を出た。

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