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委員長はエッチでした

第7章 ストーカー





翔矢さん
いや
デブ翔
翔矢の腕を払いのけて
涙を浮かべて
精一杯
睨みつけた。



「だって、体系が……っ!」



頬をさすりながら
翔矢の体を
改めて見て

どこからどう見ても
スラリとした
完璧な
スタイル。



デブ翔の
片鱗もない。



「良くあるでしょ?
ダイエット強化合宿とか、
お寺の精進料理とか、
離婚して父さんに引き取られて、
みっともないから、たらい回しに、
そういう合宿にいれられて、
ついでに性格も性根から治せと、
結構スパルタでね?」



良くあるテレビ番組とかで
見た事はあるけど
本当にあるんだ……。



「俺の母はだらしない女で、
見た目はピカイチなんだけど、
家事が苦手で、子育ても、
うるさけりゃ、食べさせとけ的な、
タイプで、好き放題、させて貰ったけど
……要するに放置プレイだったからね?」



太って
狂暴な
デブ翔になった訳だ。



「色々あって、父さんに愛想尽かされて、
父さんがまた、厳しくてね、
痩せなきゃ、引き取らないと……
まぁ、誰からも、引き取らなきゃ、
生きていけないからね?
頑張るしかなかったわけ」




「そっかぁ……」



なんだか
しんみりしてしまう。



近所のガキ大将
性格が悪くて
口も悪くて

カッとなると
手がつけられなくて。



小学生の時に
理由は忘れたけど
喧嘩して
取っ組みあいになって……

デブ翔に
怪我をさせてしまった
事があった。



お母さんと
一緒に
デブ翔の家に
謝りに行って

仲が悪い
両親という
印象を受けた。



デブ翔の
怪我なんて
心配してないような態度



木から落ちて
骨折した
デブ翔。




『お前がちゃんと、面倒見ないから!』

『よそさまの女の子と、喧嘩するなんて、
男の子が情けない!』

『あなただって、ろくに面倒見ない癖に!』

『こんな、寝る場所もないような家に、帰れるか!』



デブ翔の目の前で
繰り広げられる
夫婦喧嘩。



苦い顔をして
舌打ちするデブ翔
その
分かりにくい
表情が
泣きそうに見えて

あたしは
彼の震える
ぷよぷよの手を
握った。



『ごめんね、あたし、痛いよね?』



はじめて
デブ翔に
謝った。



喧嘩の原因は
デブ翔の意地悪で
いつも
あたしは
悪くないと
思ってたけど


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