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委員長はエッチでした

第8章 復讐するには





近所の憧れのお兄さん。




お母さんは
大学時代に
あたしを妊娠して
出産して

おばあちゃんに
面倒見て貰いながら
大学に通い
無事に卒業した。



お母さんが
就職した頃に
おばあちゃんは
亡くなって
しまった。



沈み混んで
やけ酒を飲み
いつの間にか
夜のバイトをするようになった。



お母さんが
夜のバイトに
行く時には
結城さんの
住む
マンションに
預けられた。



結城さんの両親は
常に夜は居なくて



そこは
まるで


子供たちだけの
楽しい世界。



結城さんの
兄妹と一緒に
遅くまで遊んで

酔っ払った
お母さんが
迎えに来るのを
待っていた。



一人で留守番出来る歳になると
今度は
結城さんが
家に
泊まりに来てくれた。



本当のお兄ちゃんみたいに
思っていたんだ。



初恋……だった。




『お兄ちゃんっ、大好きっ!』



無邪気に
なついてた時代が
確かに
あったんだ……。




だから……
お母さんと
結婚するって
聞いた時は



凄くショックで
裏切られたような
気分になった。



お母さんが
好きだから
今まで
あたしに
優しかったの……?



お母さんと
楽しそうに
笑う
結城さんを見て



あたしはまた
一人になってしまう……



そう思ってしまった。



楽しそうに
笑い合う二人。



あたしの
居場所は
そこには
ないような気がして



胸が傷んだ。




失恋したんだなと
仲良く一緒にいる二人を見て
初恋だったんだなと

はじめて
気付いた。



結城さんは
お母さんが通った
大学を卒業して
お母さんが就職した
大手の会社に
入社した。



お母さんが
面接の時に
後押ししてくれたとか
上司に言ってくれたとか
色々あったようで



そこまでして
好きなんだと
思ってしまったんだ。



それなのに
結婚するって
冗談じゃない。



今まで
なるべく
いい子に過ごして

お母さんの言うこと
歯向かった事も
なかった筈だ。



だけど
これだけは
譲れない。

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