委員長はエッチでした
第8章 復讐するには
なんとか結城さんの
体から逃れて
二階にある
自分の部屋に
向かう。
『彩香、俺からは、もう逃げられないよ、
気が強いのも、知ってるし、
そんなとこも、可愛いと思うけど、
男の力には叶わないって、
その体に教えてあげるよ、
無防備に今まで振る舞って来た、
自分を恨め、
俺をこんなに、思い詰めさせて、
お仕置きだからな?』
ゆっくりと
余裕の微笑みで
階段を上がり
あたしを追い詰める
強い眼差し
今まで
見たことのない
強い瞳。
この人はおかしい。
ぞくりとして
幼い頃に
預けられた
結城さんの家を
思いだした。
結城さんの兄妹
仲が悪くて
ぎゃあぎゃあ言いあって
喧嘩して
誰かがないて
高級マンション
セキュリティも
万全
両親は夜のお仕事
大きくて
お洒落なテーブルの上には
いつも
無造作に
ご馳走が並べられ
お菓子も沢山あった。
晩御飯はお寿司だったり
ファーストフードだったり
全てが
買って来たモノで
何のルールもない
子供達の世界
ぎゃあぎゃあ喧嘩する兄妹
誰かが怒鳴り
誰かが泣く
子供心に驚いた。
狂った子供の世界。
冷蔵庫の中身は
沢山のジュース
沢山のアイスクリーム
ゲームも充実してて
絵本だって
おもちゃだって
沢山あったのに
壊れたおもちゃが
沢山あった
乱暴に扱う結城さんの兄妹
誰が壊した
誰のせい
ぎゃあぎゃあ
言いあっている中で
結城さんは
涼しい顔をして
一人で本を読んでいた。
うるさくて
何も出来ない中で
一人で
関係なさそうに
していた。
今思えば
この人が
一番おかしかったんじゃ
ないだろうか?
誰が泣こうが
誰が怒ろうが
全てを雑音程度に
遮断して
自分の世界に入る。
冷たい人
何かが
欠けている人。
そんな人に
囚われて
必死に暴れて
自分だって
結城さんを
殴ったり
蹴ったりして
噛みついて
自分の部屋で
あらゆるモノを
ぶつけて
もみくちゃになって
突き飛ばされた。
壁に頭を打って
一瞬
気が遠くなり
意識を失った。