委員長はエッチでした
第9章 意味なんてない
啓介の笑顔が
ふっと消えて
真面目な
表情になる
あたしの手を
繋いで
引っ張られた
「こっちだ」
ふらりとした
足取りで
啓介の後を
ついていき
案の上
体育倉庫に
連れて行かれる。
重い扉を閉めて
鍵をかける啓介。
「ここの鍵って、壊れてるんじゃあ、
……ってか、あんた、さっきまでここで
……」
ここでさっきまで
他の女の子と
してたんでしょ?
さっきまで
人がいたような気配
体育倉庫の空気が
なんだか
熱い気がした。
「あたし、やっぱり、しないからっ」
急に恐くなって
重い扉に手をかけた。
「いまさら、頼むから、そんな事
いうなよ」
啓介の手が
通せんぼのように
扉に手をつく。
左手に回っても
両手をついて
その間に
とじこまれた。
「やだなあ、可笑しいよ、啓介、
友達なのに、こんなこと、
あんただって、
さっきまで、してたんでしょ?」
わざと軽い調子で言って
啓介に笑いかけるのに
笑ってくれない
真剣な目をして
じっと
見つめられた。
切れ長の
涼しい瞳が
ゆっくり
近付いて……
「お前は別だから……、
お前が黒崎を好きでも、関係ねぇ、
悩みなんて、吹っ飛ばしてやる」
あたしの
すぐ目の前で
啓介の端正な顔が
ゆっくりと傾く
長い睫毛に
思わず見惚れそうになって
色っぽい雰囲気に
流されて
しまいそうで
慌てて唇の前で
手をかざした。
「やっぱりあたし、あんたとは、
ごめんね、色々あって、
疲れてたみたい」
顔を背けて
啓介の唇から
逃れた。
「嫌だと言ったら、どうする?」
啓介が
やけに真面目な表情で
あたしの手を掴んだ。
唇の前でかざした手が
封じられて
もう一方の手も
掴まれた。
「本気なの?啓介……、あたしは……っ」
「友達だなんて、なれねぇんだよ、
好きだから、お前の傍で、友達のフリ
をしてただけだ」
両手を掴まれ
啓介の唇が
がばりと
あたしの唇に
重なった。
「んっ、んんっ…んあっ……!」
奪うような
激しいキス。
強引に舌を
捩じ込まれ
あたしの口の中で
激しく蠢き
呼吸が苦しくて
掴まれた手を
動かそうとしても
びくともしない。