委員長はエッチでした
第9章 意味なんてない
こんなのは
嫌だ。
こんな啓介は
知らない。
力で叶わないなんて
これじゃあ
まるで
あの人と
一緒だ。
啓介はいつも
優しくて
困った時は
頼りになる
友達で……。
友達はこんなこと、
しないよ。
恐くなった
いつも笑ってる
啓介の顔が
真剣で
慣れた手付きで
制服の胸元のボタンを
外された。
「い…や…っ、お願い…、乱暴に
しないで……っ、
恐い…の…っ」
自分を守るように
しゃがみ込む。
啓介の手が緩み
自由になった手で
自分の両腕を掴んだ。
自分を
抱きしめるように
外部と遮断して
バリケードを
張るように
こうした時
結城さんは
一瞬怯んだ
何も
手出し
しずらくなるし
何より
顔も
見えないし
あんまり
騒がれても
困るから
これじゃあ
埒があかない
そう言って
部屋に
戻っていく日も
あったんだ。
「……っ!」
息を飲む
啓介の気配。
体を奮わせて
怯えるあたし。
恐ろしい
記憶が甦る。
「悪い、俺は……、
お前をこんな風に、恐がらせる
べきじゃなかった。
俺はお前を守りたい、筈なのに……!」
ふわりと
抱きしめられる
あたしと
同じように
しゃがんで
守るように
ギュッと
抱きしめるのに
きつくなくて
毛布で
くるむように
抱きしめ
られた。
最初は震えていた
あたしの体を
震えが
止まるまで
ずっと
抱きしめて
居てくれた。