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委員長はエッチでした

第9章 意味なんてない





啓介と気まずいまま
分かれて
教室に戻った。



亮はまた
一人で
文庫本を見ていた。



後で戻った
啓介は
いつも通り
友達と話をしていた。




そうして
そのまま
放課後を迎えて



いつも通り
亮と一緒に
自転車で帰る。



寄るとこがあるからと
亮のアパートの前で
別れた。



心配していた
亮だったけど

翔矢と
話をつけると言うと



渋々
自分の部屋に入った。




インターホンを
鳴らして
腰に手を当て
翔矢が出て来るのを待つ。




「あれ?
亮くんの家は隣だよ?
間違ってるよ〜?」




すぐに
ドアが開いて
いささか呑気な
愛想笑い

天使のような
仮面を被った
馬鹿。




「話があるから、いれてちょうだい、
この写真について、聞かせて貰おうじゃ
ないの?」



啓介から
受け取った写真を
可愛い顔の前でかざす。



ぴらりと写真を
受け取って
花のように
ふわりと笑った。



「美しく撮れてないね?
入れば?
何もないけど?」




翔矢の部屋は
本当に何もなかった。
テレビ
ベット
冷蔵庫
テーブル
パソコン



……以上って感じ。
無駄なモノは
一切なくて
生活するのに
必要なモノだけ。



ガランとした部屋
座布団の上に座って
ちゃぶ台の上に
無造作に
ビールが置かれた。



「飲めば?」



「お構いなくっ」



肩をすくめて
同じビールを開けている。



余裕な態度
自分が悪い事したなんて
思ってもないような
そんな態度に
腹がたった。



「あんたいったい、どいいうつもりよっ、
あんたのせいで、
亮は迷惑してんだからっ」




「ふうん、亮くんが?
どうして?」



「危うく停学に
なるとこだったじゃないのっ」



「……てことは、停学には、
ならなかったんでしょ?」



ビールを飲みながら
にこりと笑っている。



「そうだけどっ、あんたはいったい、
何がしたいのっ、
まだ、亮を苛めたいの?」



「意味なんてないよ?
ちょっとした、イタズラ?
……ここのアパートの壁って
薄いの、知ってる?
リア充の二人に
ちょっとした、仕返しだよ?」



「はあっ?」



アパートの壁が
薄い……。



わざわざ
そう言うってことは
つまり……っ

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