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委員長はエッチでした

第9章 意味なんてない





顔が赤くなったのが
自分でも
分かった。



「赤くなっちゃって、
まじキモいんだけど?
あんたなら、一人で乗り込んで
来ると思ってた」



「当たり前でしょ?
また、昔のように、殴られたいの?」



ビールを飲んで
いつか
翔矢にされたように
その頬を
ギュッとつねる



「……痛いんだけど?」



片方だけじゃなく
両方を
ギリギリつねる。



「痛くしてんだから、当たり前っ、
亮に謝ってよっ!」



「……あんたには、謝らなくていいの?」



「あたしはいいのっ!」



ぎゅう〜
思い切り
力を込めて
つねってやる。



「それって何なの?
亮くんの保護者?
お母さんなの?」



こんなに
つねってるのに
少し
カツレツが悪い程度で
涼しい顔をしてっ
余計に腹がたった。



至近距離で
睨み合い
ふっと笑って
向かい合う翔矢が
急にあたしに
近付いて



唇が重なった。



「……っ!」



びっくりして
手を離して
後退りする。



唇をペロリと
舐めてから
首を傾げている。



「……あれ?
キス、出来るもんだね?」



キモいから
無理だとか
言ってた癖に



「あんたいったい、
何をしたいのっ!」



ぎゃあぎゃあ喚く
あたしの両手が
翔矢に
掴まれた。



「一人でノコノコ、男の一人暮らしの
部屋に来るなんて、馬鹿でしょ?
俺を男として、見てないの?
油断した、あんたが悪い」



また
近付く翔矢
頭の中で
急に警鐘が鳴り響き

両手を掴まれ
首を振りながら
涙を流した。



「や…めてっ!
近寄らないでっ…!」



「……!」



翔矢の手の力が緩む
その隙に
逃げて
慌てて
部屋をでた。

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