委員長はエッチでした
第9章 意味なんてない
啓介side
どうして
こんな事になったんだ?
はじめて見る
怯えた彩香の
表情
震える体が
やけに小さく見えて
……忘れてた。
こいつは
ずっと
あの男に
力ずくで強要されてて
無理矢理なんて
強引になんて
怯えるに
決まってるのに。
違うだろ
俺は
どこかで
繋がってる彩香を
キョウダイのように
見守って
いたいだけで
それ以上は
何も求めてなんか
なかった筈だ。
なんなんだよ
あいつの
あの色気
反則だろう
あの男のせいで
あんな色気が
身に付いたんだと
思うと
吐き気がして
それと
同時に
無性にそそられた。
あれは
俺の本音だった。
あいつが
誰を好きでも
関係ねぇ
俺はただ……
あいつが欲しいんだ。
どんな女とヤっても
この渇きは
治らない
鎮まらない
それどころか
ヤってる女に
彩香の面影を重ねてしまう。
そうして
また
欲しくなっていく。
このままじゃ
ダメだ。
だから
黒崎
頼むから
しっかりと
彩香を繋ぎ止めろよ。
体育倉庫で
見られたと
気付いて
隣で二人が
そういう
関係になったのも
すぐに気付いた。
聞こえたから
彩香の声が
彩香の声を
聞きながら
他の女の子とヤって
すぐに終わらせようと
思ってた
筈なのに
何度も
ヤってしまった。
ヤりながら
彩香を抱いてる
気分になって
興奮した。
何度も何度も
その声を聞きながら
気が狂いそうになった。
黒崎にも
激しく嫉妬した。
違うだろ
どうしてこんなにも
求めてしまう
あいつだけは
絶対ダメなのに。
おやじの顔が
ちらつく
あいつだけは
ダメなんだ。
自己嫌悪になりながら
一人で
学校から帰り
いつもの公園を
通りがかって
彩香が
ベンチで一人
座ってるのに
気付いた。
……どうする?
一瞬
悩んだ。
また、
一人になんか
なりやがって……!
……行ってどうする?
何もしない
自信なんか
ないのに。
ただ
引き込まれる
引力のように
ふらりと
彩香の傍に
いたい……。