委員長はエッチでした
第10章 上書き
ダンッ!
いきなり胸ぐらを
掴まれて
ブロックの塀に
押し付けられた。
グッと首が締まり
結城さんの
手を
緩めようと
両手で彼の手を掴む。
「俺は……っ、
あなたなんかと…違う…!」
「同じだろう?
綺麗ごと言っても、同じ事をしてるんだろう?
彩香の体はいいだろう?
最初は嫌がって泣いてた彩香を、
開花させたのは、俺だからね?
だけど、お前みたいなガキじゃ、
彩香はきっと満足できない、
俺じゃなきゃ、物足りない筈だよ?」
「何を…言ってるんだ…あなたは…っ!」
ギリッ
俺の胸ぐらを掴む
結城さんの
力がこもる。
それを引き離そうと
もがくのに。
全く歯が立たない。
「彩香があんなに淫乱になったのも、
俺のせいだからな、
普通のセックスじゃ
満足できない体にしてあげたんだ。
……あんな経験したら当然そうなる。
せいぜい励めば、なんとか繋ぎとめれる
だろうけど、
彩香が最後に戻るのは、
俺の場所だから、
勘違いするなよ?」
この人は
いったい何を
言っているのか
意味が分からない。
胸ぐらを掴む手が
離れて
突き飛ばすように
塀にぶつけられた。
衝撃に背中が痛み
睨み合う視線。
「早く彩香と別れて、俺に返せ、
彩香は俺のモノだからな?」
「彩香さんは…っ、
……モノなんかじゃない…っ!」
冷たい瞳が
射ぬくように
俺を見る。
結城さんが
スーツのポケットから
何かを取り出した。
外灯の灯りに
鈍く光るナイフが
俺の視界に入った。
ひゅっという
空気の音と共に
首筋に
冷たい金属の感触。
「お前のようなガキ、
いつでもどうにか出来るんだ、
……覚えとけよ?」
冷たい感情のない
瞳だった。
俺の存在なんて
邪魔なモノとしか
思ってないような
そんな……
冷たい目だった……