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委員長はエッチでした

第10章 上書き





「亮、
あたしも一緒に……っ」



亮の後を
あたしもついて行こうと
亮の袖を
軽く引っ張った。



「こんなに、大人数で行くのは…、
……すぐに、帰って来るから…」



困ったような
亮の表情
困惑した顔。



分からないの?
不安なのに。



「亮くん、
ちゃんとお利口にして、待ってるからね〜?
ついでに、お菓子も買って来てね〜?」



翔矢がにこにこ顔で
お財布から
お金を出して
亮達を送り出した。



「え…っ、
翔矢くん、こんなに……っ」




「流石バイトしてる、大学生は違うな?」




「芽以もスウィーツ食べたいです〜、
ご馳走になります」



芽以はいったい
何しに来たのよ?



あたしの
イライラは
止まらない。



「みんなで、好きなモノ買っておいでぇ?」



ひらひらと
手を振る翔矢。



こうして
この顔ぶれの
謎の集いの幕が
切って落とされたんだ……。



信じられない
亮ったら
普通彼女であるあたしを
翔矢みたいな
胡散臭い男と
二人きりになんかする?



しかもこいつ
あたしに
キモいとか
散々言っておいて
あっさり
キスなんか
したんだよ?



分かってないよ
亮ったら
そんな話を
したかったのに。




「……キスした事、謝るよ、
恐がらせるつもりじゃ、なかったから、
なんか、知んないけど、体が勝手に
動いていたんだよね?」



なんであんなこと
したんだろ?
そう言ってるような表情。



苛つく
じゃあするなよって感じ。



ビールを飲みながら
警戒して
翔矢と距離を取る。



「人の事散々キモいとか、
言っておいて、意味が分かんない」



「だよね〜?
俺もそう思うわ〜、全然キモくなかったし、
それよりも、むしろ……」



翔矢があたしの
隣の席に近付いた。



慌てて距離を取る。



「もっと、したくなったんだよね?」



甘い視線
いつもの愛想笑いが
ふと消えた。



「冗談じゃないわよ、あたしは
亮が大好きなんだからね?」



「知ってるけど、それがなに?
あんたが昔、なついていた、お兄ちゃん、
それが今ではストーカーって、
それが原因でしょ?
亮が好きだから、拒否して、ストーカー
分かりやすい図式だよね?」



痛いとこを
つかれた。

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