
委員長はエッチでした
第10章 上書き
ああそうか
翔矢は知ってる
あたしが昔
あの人を
慕っていた
子供の頃を。
前だって
追いかけられて
掴まりそうに
なった所を
助けられたから
何となくの
雰囲気で察したのか
普通じゃないって
思ったんだ。
「あんたには、関係ないでしょ?」
「あるでしょ?
少なくとも、俺は色々知ってるからね?
……恋愛って不思議だよね、普通は
相思相愛が理想なんだけど、
一人が好きでも、
相手が好きじゃなければ、
それを追いかけたら、
ストーカーになっちゃう」
「……っ!」
何も言えない
本当の事だから。
「選ばれた人は、最高の愛を
手に入れる事になるけど、
選ばれない人間は、ひたすらに
追い求めてしまう、
諦められなくて、狂っていく。
最高の美酒を口にしたのなら、
尚更だろうね?」
何でも知ってるような口振り
どうして?
少し会っただけで
何が分かると言うの?
困惑してる
あたしの顔を見て
ふっと笑う。
翔矢の手が
あたしの頬を撫でた。
「あんたにはじめて会った時は、
高校生の癖に、やたらと色気があるなって
普通じゃないって思ったよ、
亮くんなんかは、あんたの顔を
見ただけで、たつんじゃないかな?」
「なっ…によ、そんなの…っ、
知らない…っ」
カッとして
顔が赤くなるのが分かる。
「まぁ、お盛んな年頃だからね?
ラブラブなのは、結構だけど、
近所迷惑と、隣人の事もちゃんと考えて
欲しいな?
あれって、結構な拷問だからね?
仕返ししてやりたいけど、
俺は女の子を家に連れて来たくないからね?
後が面倒くさいから」
壁が薄いって
そんなに
聞こえるモノなんだ?
知らなかった
恥ずかしい……。
「うるさい思いはもう勘弁なんで、
直接邪魔しに来たってワケ、
文句があるなら、うるさいあんたの
喘ぎ声をどうにかしてよ?」
「ごめんなさい…っ、
そんなの、知らなくって……っ」
頭を下げたのに
何が気に入らないのか
ギラリと睨まれた。
「素直に謝られるのも、
ムカつくんだよね?」
