
委員長はエッチでした
第10章 上書き
「最後までしたら、怒らなかった?」
振り返った
その表情は
甘く揺れていて
余計に
あたしの
神経を逆撫でる。
「……あんたなんか、昔っから、
だいっ嫌い!」
子供の時に
何度も言った台詞。
「……!」
一瞬怯んだ力
あたしは素早く
その手を振り払う。
「馬鹿翔矢……ッ!」
捨て台詞をはいて
今度こそ
部屋を出た。
一瞬翔矢の表情が
悲しそうに
見えたのは
きっと気のせい。
昔から
意地悪で
腹黒で
喧嘩ばかりしてたけど
あいつがここまで
腐った性格だとは
思わなかった。
