委員長はエッチでした
第2章 責任
だけど黒崎は
違う。
あたしのせいで
黒崎まで
変な風に見られるのは
我慢できない。
綺麗な黒崎
汚れのない
綺麗な真っ直ぐな瞳を
本当に汚したくなんかない。
黒崎を連れて
屋上のベンチに座らせた。
お互いに呼吸を整えて
見つめ合う。
「何であんな変な事、言ったりするの?」
「……でも、本当の事だから……っ
あの時……俺が襲って……っ」
「違うでしょ?
襲ったのは、あたしなんじゃないの?」
「……え?
なんで……そうなって……」
「酔っ払った勢いで、あたしのほうが、
襲ったんじゃないかな……と……?」
そこまで言って
急に黙り込む黒崎。
「……ひょっとして……覚えてない……とか……?」
……え〜と……
まぁ……
断片的な記憶は少しあるけども……
誤魔化すように笑うと
黒崎の顔がはっとしたように
少し曇った。
「まぁ、でも、お互い酔っ払った、
勢いみたいな感じだし、猫に噛まれたと思って、ねぇ?
いいじゃん、はじめてだったんでしょ?」
笑いながら
慰めのつもりで
言ったのに
真っ赤な顔をした黒崎は
俯いて
呟いた。
「……本当に覚えてない……?」
「……うっ、やっ、少しは覚えているよ?
でも、なんか、断片的っていうか……
途中までというか……」
「……そう……」
何だかしゅんとして
俯いて
寂しそうな顔をしている。
あたしは黒崎の体に
自分の体を寄せた。
「近っ、ちょっと……、彩香さん?」
戸惑いを隠せずに
焦った顔をして
恥ずかしそうな表情
でも
目だけは真っ直ぐ
あたしを見つめてる。
そのまま
黒崎の唇に
自分の唇を近付けた。
ぎゅっと
目を閉じる黒崎が
可愛いくて
「……っ
彩香さん……っ」
強ばる表情を見て
笑ってしまう。
「二人だけの秘密だよ?
これからもよろしく」
言いながら唇を重ねて
黒崎が呟いた。
「ちゃんと責任……取るから……」
おいおいおい
そのまま
結婚してくれそうな
勢いだな。
でも……。
それも悪くないかも……。
そう思いながら
またキスをした。
唇が重なった瞬間
きゅっと閉じられた
黒崎の唇が
あたしの唇を覆う。