
委員長はエッチでした
第10章 上書き
亮のアパートでの
謎のメンバーの集い
あたしの
予感は的中した
このメンバーの
集まりは
この日を境に
ずっと続く事になる
明らかに
あたしと
亮の中を
邪魔するように
毎日毎日
集まって
亮のシンプルな部屋には
みんなの私物や
マグカップが
増えて行った。
そうしてあたしの
イライラは
募っていく
だって
だってねっ
亮とちっとも
ベタベタできないのよっ
しかも亮は
この状況を喜んでるし
みんなに
いそいそと
おもてなしなんか
しちゃってっ
芽以なんか
相変わらず
勉強を教えて貰って
亮を独占してるしっ
翔矢と啓介は
さりげなく
あたしとの
距離が近いしっ
なんなのよっ
亮ったら
気付かないのっ?
なんとも思わないのっ?
そんなあたしを見て
啓介は何だか
楽しそうだしっ
もう
いい加減にしてよっ
ビールを飲み干して
空き缶を
テーブルの上に置く
そんなつもりじゃなかったのに
缶ビールを置く
音がやけに
響いてしまった。
「彩香さん?
今日は飲むの早いんじゃ…」
咎めるような
亮の視線に
ますます苛つく
「いいのっ、喉が渇いたからっ」
戸惑う表情
芽以は勉強してた
教科書から
視線を上げて
あたしと
目が合って
少し笑った
「亮くん、ここも、分かんないよ〜」
「……えっ、まだ、分からない?」
親切に教えてあげる亮
芽以ってば
賢くないのよ……
何で同じ高校に
入ったのか
不思議なくらい……
「あんたは、ヤル気があるの?」
そんな問題
授業聞いてたら
分かるでしょうが?
「ヤル気があるから、亮くんに教えて
貰ってんだもん、みんながみんな、
あんたみたいに、授業聞いただけで、
分かる訳ないじゃない?」
ぷくっと
頬を膨らます芽以に
ますます腹が立ってしまう。
そんな可愛い顔をすれば
みんなが
教えてくれると思ったら
大きな間違いだからねっ
「少しは自分でも、考える力を養った
ほうがいいし、そのほうが身に付くのよ?」
