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委員長はエッチでした

第11章 友達との一線を越えて





最近の啓介は
何だかおかしい



学校では
普通にみんなと
話をするけど
何となく
あたしには
よそよそしい気がして

裏庭の倉庫にも
あんまり行ってない
様子だった



あたしと亮は
二人きりに
なれる場所を
無意識に
探してたんだけど



屋上にも
中庭でも
啓介が友達を連れて
現れる



邪魔してるのかなって
さすがのあたしも
思っていたけれど……



啓介と二人で
亮の部屋を出て
帰る時の
亮の表情が
暗い事に
気が付いた



「彩香さん……、
帰ったら、電話するから……」



思い詰めた顔をして
亮を呼ぶ
おねぇさんを
振り返っていた



「うん、待ってるよ?」



わざわざ電話しなくても
いいのに
珍しいと
思いながら
笑顔でみんなと別れた。



じっと啓介の顔を見て
亮の視線に
気付いて
啓介がニカッと笑う



「じゃあなっ」



啓介らしい
笑顔だった。




啓介と二人で
話をするのは
久し振りだった



「父さんがお前に会いたがってるんだ、
今日は母さんが夜勤で居ないから、
チビも婆ぁさんの家に泊まりだしな?」



啓介のお母さんは
看護士さんで
夜勤が多い
そんな時は
おばあさんの
家に預けるみたい



啓介のお母さんの
お母さん
再婚する前は
啓介も一緒に
暮らしていたみたい



あたしが下宿している
あのおばあちゃんの家に
啓介は来る事は
なかった

やっぱり
遠慮しているのかな?



複雑な家庭環境なのかな?



再婚て聞いたら
どうしても
結城さんを
思い出してしまう……



啓介の義理の
お父さん
二宮病院の
お医者さん



素敵な紳士だったな?



でもどうして
わざわざ
あたしに
会いたいんだろう?



少し不思議に
思ったけど
あの時
お世話になったし



お母さんは
ちゃんとお礼もして
話をしたって
言ってたけど
古い友人みたいだったし

あたしも
お礼しなきゃと
思ったけど
お母さんは



『あんな奴、気にしなくてもいいのよ』



ピシャリと
言われてしまったんだ……



『それにいつも忙しい人だからね』



笑ったお母さんの
表情が
少し寂しそうに
見えてしまった。

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