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委員長はエッチでした

第11章 友達との一線を越えて





啓介の家まで
一緒に自転車に乗って
連れて行って貰った
二宮病院の近く
おばあちゃんの
家にも近い距離



大きな家が
あるなとは
思っていたけど
まさかそれが
啓介の家だとは
思わずに
びっくりしてしまう



啓介の家に
行くのは
はじめてだった。






「……えっ?
彩香ちゃん?
……ってえぇっ?
啓介っ?」



広いリビングに
通されて
あたしの顔を見た瞬間
びっくりしている
啓介のお父さん



笑顔で挨拶をして
戸惑う表情を見て
首を傾げる



「ああ、いやあ、すまないね……
ちょっと最近忙しかったものだから、
不意討ちというか……」




しどろもどろに言って
お風呂上がりだったのか
タオルで髪を
くしゃりとしている



少し濡れた髪
相変わらず
渋くて美形



ニヤリと笑う
啓介を
肘でどついている



「予告も無しに、どういうつもりだ?
まさか、お前……彼女と付き合って
いる、なんて事は、無いだろうね?」




「……ねえよっ」




仏頂面で答える啓介

こそこそと
話をしているけど
聞こえてるんですけど?




「あの、急にお邪魔して、すいません、
色々お世話になったし、ちゃんと
お礼しなきゃと思ってっ」



啓介を軽く
睨んでいた
お父さんが
あたしと目が合うなり
フワリと笑った



「いや、いいんだよ、
僕も気になっていたからね?
婆ぁさんの家はどうかな?
何か困った事があれば、
何でも言ってくれても、
構わないからね?」



大きなソファーの
向かい側に座る

ただそれだけなのに
洗練された
身のこなし
大人のスマートさが
滲みでている




「あの、お家まで良くしてもらって、
お母さんとは昔の友達とは
聞いていたんですけど、
本当にここまでして頂いて、
ありがとうございます」




軽く頭を下げて
顔を上げると
寂しそうな
視線とぶつかる




「……僕はね、君のお母さんに昔
酷い事をしてしまって、
どんな形であれ、ずっと償いたいと
思っているんだよ。
だから遠慮なんて、する必要はないからね」




「は……い」



悲しそうな瞳
綺麗な瞳の奥で
揺れる光が
涙に見えて
瞬きをして
じっと見つめてしまう。



啓介はただ黙って
あたし達を
見守るように
見ていた

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