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委員長はエッチでした

第11章 友達との一線を越えて





啓介のお父さんと
色々な話をして


お母さんに
酷い事をして
償いたいのに

お母さんから
突っ張られて
ずっと避けられ続けた

そんな
説明を受けた



お母さんらしい話
昔お付き合い
してたのかなって
ピンと来てしまった。



だから
つい
聞いてしまったんだ。





「あの……
ひょっとして、あたしのお父さんの
事を知っていますか?」




瞬間
重苦しい沈黙が
訪れた



ハッと
息を止めるような
苦しい表情の
お父さん



あたしは
慌てて
手を振る




「いえっ、いいんですっ、
事故で亡くなったとも、
聞いてますし、お母さんも
つらくて話が出来ないみたいだしっ、
ただ、どんな人だったか、
知りたいだけで……っ」




そこまで言って
啓介が溜め息をついて
あたしの
肩を掴む



「彩香、とりあえず今日は……」




啓介のお父さんは
苦しい表情で
口を開く




「彩香ちゃん、
君のお父さんは……っ」



瞬間聞こえる
ケータイの
無粋な着信音
緊迫した
空気の中
鳴り響いて



それぞれが
ケータイを探して
ポケットを探る



「ああ、どうした、急変か?
……他の先生は?そうか、じゃあ、
……バイタルは?
……呼吸数は?」



緊迫感が伝わるような
啓介のお父さんの
ケータイ

握りしめる
その表情は
完全に
お医者さんの
顔に戻っていた。




「とりあえず酸素を……っ、
家族にも連絡してくれ、
僕もすぐに行くから」




ぴりぴりした
雰囲気

慌ただしく部屋を出て
物音が聞こえて

再び現れた時は
白衣を羽織っていた




「このまま、直接行って来るから、
……彩香ちゃん、
話はまた、今度、必ずするから……」




「すまない」項垂れ、
あたしにすまなそうな
顔をしている




あたしは
ゆっくり首を振った



気になるけど
今さら
詳しく聞こうとは
思わない

どうせ
あたしのお父さんは
すでに亡くなって
いるんだから

会えないんだから……




「大丈夫です、
お仕事……頑張って下さいね」




精一杯笑ってみせる
啓介が
気遣うように
あたしの肩に
そっと
手を置いて



ゆっくり首を
凭れさせてくれた……

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