
委員長はエッチでした
第11章 友達との一線を越えて
大きなバックの中から
見慣れたケースを出して
ズラリと並んだ
ハサミを持ち
顔つきが急に変わった。
「さあ、亮〜
イッケメンにしてあげるから〜、
ねぇさんに任せなさいっ」
「……やっ、ねぇさん、
部屋が散らかるからっ、
ここではちょっとっ」
ハサミを構えて
俺の髪を掴まれる。
静香ねぇさんの顔
絶対面白がっている。
美容師の資格を取って
確かにバリバリ
昔は働いていたけど
結婚してからは
完全に専業主婦で
ブランクがあるだろう?
俺は逃げながら
バスルームに
追い詰められてしまう。
「さあっ、さっさと服を脱ぎなさいっ、
ねぇさんが格好良くしてあげるからっ、
観念しなさいっ」
ハサミを持ってるのに
俺の服を脱がそうとしてるし
危ないからっ
観念して服を脱いで
静香ねぇさんが
俺の前髪を
グイッと掴んだ。
ジャキンッ
パラパラと
バスルームの俺の足元に
髪がハラリと落ちる。
「ねぇさんっ、結構バッサリ……っ、
そんなに、短くは……っ」
ジャキンッ
ジャキンッ
ああ……っ
ねぇさんの瞳
完全にもう
集中している……
俺は諦めて
ガクリと
バスルームに
座り込んだんだった。
心地よく聞こえる
ハサミのリズミカルな音
俺の頭が軽くなる。
スースーして
寒気を感じて
俺の前に立っていた
静香ねぇさんが
ニヤリとドヤ顔で笑い
バスルームの鏡から
スッと離れた。
眼鏡はとうに外されて
さっぱりとした短髪の
俺の姿が
鏡に写る。
少しすかせた長い前髪
お洒落な髪型で
びっくりする。
「似合うわよ〜?
あたしが好きな俳優と
同じにしてあげたんだからね?
少しだけ長い前髪、
後はがっつり短いから、
眼鏡はもう止めなさい?
伊達眼鏡だし、コンタクトレンズにした
とでも言えばいいでしょ?」
「……でも、目立ってしまうから……」
俯いて小声で呟くと
静香ねぇさんの
目がつり上がる。
「目立ってしまえってば、
もともと美形の家系なんだから、
どうしたって目立つのよ?
あの彼女なんて、
学校で目立つタイプじゃないの?」
