
委員長はエッチでした
第11章 友達との一線を越えて
確かにそうだ
彩香さんは
いわゆる
高嶺の花タイプだから
彩香さんの周囲の
友達は
彩香さんを
守るようにしてるし
実際に告白されてるとこを
何度か見た事もあるし
知らない人から
ラインが入ったりも
してるみたいだし
本当にどうして
俺なんかと
彩香さんは……
「亮、あんたはもともとイケメンなのよ?
昔は可愛いくて、あたし達が
苛め過ぎたから、
いけなかったんだろうけど、
姿勢も伸ばしたら、身長だって
高いんだから、自信持って、
彼女とデートくらい行きなさいよ?」
デート……?
そういえば
そういうの
全く思いつかなかった。
俺は全く余裕なんかなくて
ただ毎日
彩香さんと一緒に
いられたら
それで良くって……
デート……?
俺の家と
近所の公園
後は学校だけしか……
って本当
何やってんだろう
こんな事に
はじめて
気付くなんて……
これじゃあ
彩香さんに
嫌われて当然……
「赤くなったり、青くなったりしないでっ、
さっさと行動しなっ?
明日は土曜だし、ちょうどいいじゃない?
お誘いの電話くらいしなさいよ?」
バスルームの
散らばった髪を
箒と塵取りで
片付けるねぇさん、
ねぇさんの
ペースに乗せられるように
焦りながら
ケータイを持つ。
俺の数少ないアドレスには
彩香さんが
一番に使う番号として
短縮設定をしている。
電話するのはすぐだ
だけど
帰る時の彩香さんを
少し思い出して
啓介くんと
一緒に帰ったのを
思い
嫌な予感がよぎる。
そうして
電話する自分に
後悔する事になる……
……はっきりと
分かってしまった。
彩香さんの
甘い声
艶やかな吐息ひとつで……
分かってしまう
やっぱり二人は……
ひょっとして
最初から……?
そういう関係で……?
