
委員長はエッチでした
第11章 友達との一線を越えて
恥ずかしくて
あたしの顔が
赤くなってしまう。
それを見て
自分の言った事に
気付いたのか
亮の顔が
みるみる赤くなっていく。
「……やっ、あの、今のは、
別に思わず言った…って言うかっ、
本当に光って見えて…って……っ!」
水槽の中で
光が洩れて
流れるように
泳ぐ魚が横切る度に
水が揺れて
亮の体にも
その光が映っていく。
あたしは亮の
頬に
そっと手を乗せた。
「亮だって、
…綺麗だもんっ」
赤くなって
見つめ合う
あたし達の姿を
回りの人が
ちらちら見ながら
通り過ぎる。
『素敵なカップル〜』
『お似合い〜、絵になる〜』
小声で噂され
無遠慮な視線に
ますます
恥ずかしくなる。
だって今日は
土曜だし
人通りも多いからっ。
そんな中で
恥ずかしい事を
言っちゃってる
あたし達って……、
バカっプルじゃんっ。
亮の顔がゆっくり
あたしの顔に
近付いて
まさか
こんな所で
キスをするわけじゃ
ないよね?
そう思って
固まった
あたしの前で
亮の綺麗な顔が
傾いて
本当に唇が
軽く重なった。
回りから
悲鳴が上がり
その場が
ざわついて
水槽の魚が
パッと
散らばった
気がした。
痺れるような
唇の感触に
胸がじわりと
熱くなる。
じっと見つめられて
見つめ合い
少ししてから
ハッとしたように
ざわつく周囲を
見回す亮。
赤い顔をして
あたしの手を
ぎゅっと引かれた。
「……ごめんね、つい…っ、
なんか気が付いたら…っ、
……あっちに行こうっ!」
「う、うんっ」
クスクス笑いが
気になりながら
逃げるように
その場を
離れた。
亮は
意外と甘々だったのを
思い出した。
ただ
最近では
なんだか
邪魔ばかり入って
なかなか
そんな雰囲気に
ならなかった
だけで……。
どうしよう……っ
これ以上
甘々なんて
勘弁して欲しいっ
心臓がっ
持たないよっ。
しかも今の亮は
無駄に格好良くて
目立つから……っ。
