委員長はエッチでした
第13章 泣かせたかった
うるさいってば
優しくしろとか
ずうずうしく言うし
俺が女の子に対して
ここまでやってあげてんだよ?
めったにない
レアなんだからね?
両膝をたてている
彩香の浴衣が捲れ上がり
チラリと見えてしまった
……あそこの茂み。
おいおいおい!
いい加減にしろよ!
ノーパンなのっ?
「……おっ、前ぇ……!」
カッとなった俺は
彩香の両肩を掴み
畳の上に押し倒してしまった。
悲鳴を上げて
畳の上に寝転び
それと同時に俺の体にも
異変があり
痛みに
「……痛っ!」
顔をしかめた。
彩香の体の上に
膝をたてて囲み
痛みに呻いてしまう。
「……ひょっとして、あんたも怪我してんのっ?」
畳の上に押し倒そうとしたのに
彩香が俺のシャツを
裾から捲り上げた。
「……見るな!バカ!」
俺の腹の上には
昔、木の上から落ちた時に
枝で引っ掻いた
古傷があり
それを見られたくなくて
シャツを下げる。
「……その傷っ、どうしたのっ?」
畳の上から起き上がり
またシャツを捲られて
背中まで見られてしまう。
「……血が出てるじゃない……っ、さっきどこかでぶつけたのっ?」
「……対したことない、ピンピンしてるし、舐めときゃ治るから」
「舐めれないでしょ?バカじゃないの?」
……それもそうかと
思った瞬間
俺の手から消毒液を
奪い取り
背中の傷口に
ティッシュでグイグイ
拭かれる。
痛みに呻いて
彩香を睨む。
「……わざとだからね?」
勝ち誇ったような
笑い顔。
その表情がやけに
輝いて見えて
また、イラついた。
傷口は小さなもので
やっぱり対したことは
なかったらしく
消毒するだけで
大丈夫みたいだった。
体が痛むのは
打ち付けたからだろう
どうせただの
打撲だろうし
歩けたしね。
「こんなもんでしょ?」
消毒を終えて
自分の膝に
絆創膏をテキパキ終えて
おもむろに
俺の前に回り込まれた。
「その傷ってまさか、あの時の?」
気遣うような
同情的な視線。