
委員長はエッチでした
第14章 命懸けで愛されて
言わないのなら、
言わしてあげると
何度も体を重ねて
焦らされて
欲しいのならと言われても
嘘でもあたしは
決して言わなかった。
どうせいつものように
何度も抱かれて
どろどろにされるだけだと
そう思っていたのに……。
何故だか黙って
抱きしめられて
後ろにいる結城さんの
肉棒の感触は
あたしのお尻に
押し付けられているのに。
「……しないの?」
怪訝に思って
振り返って結城さんの顔を見る。
「……っ!」
悲しげな瞳とぶつかり
鋭く瞬いて
瞳を反らされた。
「……?」
珍しい態度に
首を傾げてしまう。
静かなバスルームの
水滴の音がぽつんと響いた。
「……俺だって本当は、分かっているんだ。こんなこと、繰り返しても、彩香の心は手に入らない。……分かっているのに止められないんだ」
独り事のように呟き
ゆっくり体を離されて
手を引かれて
バスルームから出ていく。
バスタオルで
体を拭かれて
裸のままで
ベットまで連れて行かれた。
「……分かってるのなら、どうして……っ?」
ベットサイドに座り
結城さんも隣に座る。
「昔は純粋に、彩香の成長を見守っていただけだった。ただ、笑ってる顔が見たくて、どうしたらもっと笑ってくれるのか、幸せにしてあげたいと思っていたんだ。
俺はただ、彩香に喜んで貰いたくて、大好きだと言って欲しかっただけだったのに……」
結城さんの瞳が
暗い光で瞬く。
「俺は何を間違えた?……確かに一緒にいて、幸せだと感じていたのに、彩香がどんどん綺麗になって、いつの間にか、気が狂いそうな程に求めるようになったんだ」
……そんなの知らないよ。
だって結城さんは
お母さんと一緒に
夫婦になるって
言ったじゃないの。
いつも二人で
楽しそうに
笑い合っていた癖に
どうしてあたしが……?
「……早苗と二人でいる時に、いつも寂しそうな顔をしていたね?それを見て思ったんだ、俺は間違ってしまったんだって」
「……お母さんのこと、好きだから夫婦になろうとしたんじゃないの?」
そのままお母さんと
仲良くしていたら
本当にお父さんとして
迎える事が出来た筈なのに。
