委員長はエッチでした
第14章 命懸けで愛されて
「俺にとって早苗は良きパートナーであり、会社の上司で、常に憧れていた存在だよ。……愛しているとは言えない、憧れと分からなくなっていただけだ」
「……なっ…によそれっ、でもお母さんは……っ」
「早苗だって、俺の事は良きパートナーとしか思ってなかったよ、お互いに利害は一致していた。彩香がなついてる俺なら、一緒に暮らそうって、言ってくれたのは早苗だよ」
……そんなもんなんだろうか
二人にどういう
話し合いがあったかなんて
あたしには分からないけど……。
「……早苗と結婚する時に、反対したのはどうしてだ?俺の事を父親として、受け入れられなかったのは、どうしてなのか、教えてくれ?」
肩を掴まれて
ゆっくりとベットに
押し倒される。
真剣な目をして
至近距離で
じっと見下ろされた。
「……どうして今更そんなことっ、あの頃は二人とも聞いてもくれなかった癖にっ」
結城さんから
顔を背けて
目を反らして
何とか話題を反らそうと考える。
あたしのあの頃の思いを
今の結城さんに
悟られては
いけない気がする。
本当に引き返せなくなるような恐怖。
昔は確かに好きだった。
だけど、今の話じゃないんだから
勘違いされたらいけない。
「……早苗と一緒にならなかったら、こんな風にならずにすんだのか?昔のまま、今でも大好きなお兄ちゃんでいられたら、俺を受け入れてくれたのか?」
「……そんな話してもどうしようもないでしょっ!?一緒に暮らして、あなたがあたしに何をした!?……あんな事されて、好きになんてなれるわけないっ!」
じわりじわりと
追い詰められて
毎日結城さんの
視線に怯えて
暮らすようになったのは……。
全ての原因は
結城さんなのに。
この人にされた事は
あたしに一生
忘れられないトラウマになって
今でも恐ろしい
夢にうなされるのに。
憧れていたから
好きだったから
それが余計に
嫌悪感を募らせた。
「……いいや、彩香は俺の事が好きなんだよ?俺が早苗と一緒になったから、俺があんな事をしたから、ずっと怒ってるんだ。もう彩香の嫌がる事はしないから、もう一度俺を好きだと言わせてみせるよ」