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委員長はエッチでした

第3章 家族とは





その予感は的中した。
休み時間や
昼休み
あたしから
必要以上に
視線を反らす
黒崎。



話かけようとしても
するりと逃げられてしまう。



どうして?




広い後ろ姿を見て
胸が傷む。





ヤバい
泣きそう……。




放課後
忙しそうに
荷物をまとめて
帰って行く黒崎


声をかけようとして
その背中が
あたしを拒んでいるように
見えた。

ピリッとした
横顔

今まで
どうやって
話かけてたっけ?

黒崎はいつも
一人で
静かに本を
読んでいただけで
いつも
あたしから
ちょっかいかけていただけ。



恥ずかしそうに
たどたどしく
話をして
赤い顔を
からかっていただけ。



一人でいる時は
いつも
近寄りづらい。



でも
黒崎の家に
今日も絶対行くから。



いつものように
スーパーに寄り
買い物をする。



「……よお」


玉子を見ながら
唸るあたし

背中をぽんと
叩かれる。

啓介だった。

啓介に話かけられて
玉子を1パック
押し付けた。



「お一人様1パック、買って一緒に、お金あげるしっ」



「んあっ?
へいへい、主婦だなお前」



「いいから〜」



急かすように
レジに並ばせて
自分の家の買い物を済ます。



隣のレジに並んで
ちらりと
啓介を見た。



そんな気がした。
啓介の性格なら
心配して
ただ
一緒に居てくれる。



何も言わずに
普通に傍にいる。


昔からそうだ。



困った時は
いつも
手を差し伸べてくれた。



買い物を終えて
当たり前のように
家に付いて来て


あたしが晩御飯の用意をして
テレビを笑いながら見る。



仕度を済ませて
慌ただしく
家を出るのに

何も言わずに
付いて来る。




いつものあたしの習慣。

これから黒崎の家に行く。




「これから黒崎の家に
行くから」



「……送るし」




「……ストーカー?」




「……かもな。
ちゃんと見届けねぇと、落ち着かねぇ」



「そっか……
ありがとね?」



いつもの公園に寄って
少しだけ話をする。

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