委員長はエッチでした
第3章 家族とは
「お前さ……、
今日は自分の家に帰るのか?」
啓介が黒崎の家である
アパートを遠い目で見て言う。
「当たり前だよ、
お母さんが帰って来たら大丈夫だし、
いつも連絡があるからね」
「……黒崎の家に泊めて貰えば?
俺のツテでお前の住む、アパートなり、
探して貰ってるから、
帰らないほうがいいんじゃねぇか?」
「……あんた、サラリと凄い事言うね?」
笑いながら
心配そうな啓介の顔を見る。
「あいつなら、何もできねぇだろ?」
いやいや
黒崎を一体
何だと思ってるの。
でも
あたしだって
そう思ってたから
一緒かな?
「なるべく、頼んでみようかな?」
「そうすれば?」
向かい合い
頭を撫でられた。
「啓介ってば、何だかお兄ちゃんみたい」
「ああ……アニキって呼べ」
ニカッと笑いながら
背中を向ける。
啓介に手を振りながら
黒崎の住む
アパートに乗り込む。
ちゃんと
話をしたい。
ちゃんと向き合って欲しい。
そうしないと
前に進めないから
あたしから
逃げないで欲しいの。