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委員長はエッチでした

第4章 逃げない







夢を見ていた。
子供の頃の夢
小さな頃は
おばあちゃんがいて
おばあちゃんと良く
仏壇の前で
一緒に手を合わせていた。



おじいちゃんに会った事はなかったから
おばあちゃんに
おじいちゃんの事を
良く聞いていた。



おじいちゃんは何処にいるの?
おばあちゃんの大事な人なの?
お母さんの
パパとママが
おじいちゃんとおばあちゃんで
お母さんが二人の子供。



おじいちゃんは天国にいて
じゃあ
彩香のパパも
天国にいるのかな?



『そうかもしれないねぇ〜』




苦笑いするおばあちゃん。
彩香のパパは
天国にいるんだ。


だから
会えない。



それが
一番分かりやすい
答えだった。







『お前の母ちゃん、水商売〜』




『父ちゃんは誰だか分からないんだろ〜?』




近所の公園で
笑いながら
あたしをからかう
近所の子供達。




何もしてないのに
叩いたのは
いつも相手の方。



それが
年上のガキ大将でも
やられたら
やり返す。




取っ組み合いの
喧嘩になって
学校帰りの結城さんが
通り掛かって
止めてくれていた。




『こら〜っ!
寄ってたかって、男の子が女の子一人に、
何をやってる!?』




『こいつは女の子なんかじゃないっ、
オトコオンナだよっ』




『なによそれ〜っ』




ギャースっ
また
取っ組み合いが始まる。

近所のガキ大将は
年上で
デブで背が高くて
性格の悪い奴だった。




アダ名が確かデブ翔
翔矢とかそんな
似合わない名前を
もじってただけ。



あたしと
デブ翔の間にたって
喧嘩をとめてくれた結城さん。



呆れたように
溜め息をついて
軽く睨まれた。



『彩香ちゃんも女の子なんだから、
そんなに暴力、振るうもんじゃないよ?』




……どうして?
先にあたしを
叩いたのは
デブ翔の方だよ?

酷い事を言ったのも……。





そんなに暴力
振るうもんじゃないよって
そう言っていた結城さんが

今では
あたしに
暴力を振るう。



嘘つき……
言っていた癖に
結城さんは
いつも
嘘つきで
信用なんか
出来る訳がない。



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