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委員長はエッチでした

第4章 逃げない





警察……?
それはちょっと……
あたしも嫌だな……



「取り合えず君の安全は保証するよ。
幸い君を守ってくれるナイトも
いるようだし、少し頼り無さそうだけどね?」



冗談ぽく言って
優しく微笑む。
素敵な大人の笑顔に
安心する。



啓介のお父さんか……
お医者様で
優しくて
羨ましい……
こんなお父さんがいいな……。




「君が目覚めるのを、心配して待ってるから、
そろそろ呼んで来ようかね?」



スッと品よくスマートに
立ち上がり
襖に手を掛ける。


……行ってしまう。



「あの…っ、啓介のお父さん……っ」



思わず呼び止めてしまった。
襖に手を掛ける
啓介のお父さんの
手が
ビクリと激しく震えて
自分の声が
思ったより大きくなって
びっくりした。




「あっ…ごめんなさい…っ、
あの…っ、有り難うございました……っ」



何を言うつもりだったんだろう?
また会いたいなんて
おかしな話だ。

精一杯の笑顔で頭を下げた。



「いや、また、君に会いに来るよ。
君の容態を診に来るからね、
無理をせずに、しっかりと、安静にするんだよ?」



お医者らしい顔付き、
白衣を翻して
消毒の清涼な香りがした。



何故だか
とても
懐かしい香りに思えて
胸が温かくなった。

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