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委員長はエッチでした

第4章 逃げない





いつも一人で
泣いていた……?


俺が会った時は
一人でビールを飲んでいた。
いつも1缶しか
飲まないのに
あの時は6缶くらい
飲んでいた。



どうして?
あの日だって
つらい事が合って
本当は泣いていたんじゃ……?




「啓介くんは……
彩香さんのこと……?」



好きなの?
聞きたいけど聞きづらい。




思った事が分かったのか
俺の顔を見て
苦笑いしている。




「公園で泣いていた彩香な?
その後は一人で家まで歩いて、
夜だし危ねぇから、そんままついて行って、
距離を取ってな、そん時に、同じなんだなと
思ったんだよ、
こいつは俺と一緒なんだって」




お茶を飲んで
ニカっと笑う。



「その後は同じクラスになって、今に至る。
何なんだろうな?キョウダイみたいに、
思っちまってんだろな?」



カカカと笑いながら
背中を叩かれた。



「心配すんなよ、俺は絶対そんな事はない、
俺は絶対、無理なんだからな?」




絶対無理って?
どうしてそう思うんだろう?
キョウダイって
血が繋がってもないのに。



お父さんがいるから?
お母さんが悲しむから?
聞きたいけど
聞けない。




「このことは彩香さんには……」




言った瞬間
啓介くんの瞳が
鋭く光る。




「絶対言うなよ、そう言えば、お前なら必ず
言わないって分かってるから言うけど、
絶対言うな」



グッと肩を捕まれて
顔を覗き込むように
じっと鋭く
見つめられる。




「……どうして?」




「……俺なぁ、弟と妹がいるんだよ、これがまた、可愛いんだよ、
だから……分かるだろう?」



ハッとして
俯いてしまう。



自分が恥ずかしい。
啓介くんが
彩香さんの事
好きなんだと
疑ってしまって

自分の事しか
考えてない

啓介くんの方が
皆の事
しっかりと
考えているのに。



だけど
なんだか
納得出来なかった
啓介くんは
彩香さんの事……

そう思えて
不安は拭えない。



俺は口を開きかけて
また閉じる。



そんな時に
二ノ宮さんが
戻って来た。



「彩香ちゃんが目を覚ましたよ?」




俺は直ぐに立ち上がり
啓介くんを振り返った。



「なんだよ、行ってこい!」



ニカっと笑う笑顔を見て
彩香さんの下へ行く。

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