委員長はエッチでした
第5章 真面目なだけじゃない
黒崎と一緒に
お弁当を持って
屋上に行く。
あたしは弁当だけど
そういえば
黒崎はいつも
教室の端で
パンを食べる
程度だったのを
思いだす。
いつも朝ごはんも
食べないって
言ってたし。
「そんなんじゃあ、筋肉なんか、
つかないんだからね!」
菓子パン1つだけで
手を合わせようとする
黒崎をじとっと睨む。
「ああ……俺もともと少食で……
そのせいで、ずっと背も低くて、
女の子みたいって……イジメられてて……」
「……さっきの話?」
クラスの女子が言ってた話だ。
軽く頷く黒崎。
「段々……学校に行かなくなって……、
家でずっと……筋トレしてたんだ……」
なるほどなぁ
コミュ障とは
思ってだけど
イジメにも合ってたんだぁ……
これで見た目が
可愛いなら
確かにイジメたくもなるけど
当校拒否に
なるほどってのは
結構
ひどかったのかな……
「高校にもなって、まだ、イジメに合うとか、
ガキだよね?
保育園くらいの子供の時なら、分かるけどさ?」
昔
イジメっ子だったのを
思い出す。
そう
保育園の時に
女の子みたいに
可愛いくて
もじもじして
イラつく
男の子がいて
良くイジメたもんだよ。
背中にカエルいれたり
保育園で飼ってる
犬を勝手に放して
けしかけたりして
色々したけど
可愛いかったから
やってただけでね。
「保育園の時も……女の子に意地悪されていたな……」
ぽつりと遠い目で
話だす
黒崎。
「ふうん?」
「背中にカエル突っ込まれたり……」
ぎくりっ!
「犬をけしかけたりされて……
後はおやつを食べられたりしたな……
でも、後から思えば……そのおやつは、
俺の嫌いなレーズンが入ってて、
そうすれば、他のおやつが貰えるって、
ちゃんとその子は……分かっていたんだ……」
覚えている……
レーズンが嫌いな
りょうちゃん
女の子みたい可愛いくて
優しくて
泣き虫だった……
レーズン食べて
吐きそうに
なってたから
食べてただけで
そんな深い意味は……。
レーズンサンド
ビスケットだったかな?
少ししか
行かなかった保育園
途中で引っ越したから……
その子とも
ずっと会うことも
なかった。