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1P短編集

第15章 部屋に残る香り

 親が泊まりに行くというので、私は彼に家に泊まりにおいでよと誘う。彼は心よく行くよと笑顔で答えた。



 当日。夜ご飯のカレーの仕込みをし、仕事に行く。仕事が終わると彼は仕事先の前で待っていた。

 私の家へ行く。私はカレーの仕上げを。彼は洗濯物を干し、洗い物をしてくれる。

 一緒に出来上がったカレーをキッチンで食べた。

 彼は一口食べると百点満点をくれる。残さず食べてくれた。

 ご飯が終わると一緒にお風呂に入る。お風呂が終わると夜も遅かったので、二人で寝室の同じ布団に入る。

「好きだよ」

「あたしも大好きだよ」

 甘く囁きあって眠りについた。朝になり、私は仕事があるので、彼は家に帰る。

 仕事から帰ると親は既に泊まりから帰宅していた。彼との思い出が家や部屋にも詰まった。にやけるのを抑えてお風呂に入る。

 眠りにつく時、布団には微かに残る彼の香り。私はとうとうにやけてしまった。

 まるで新婚生活のような、甘い甘い一日だった。


End

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