1P短編集
第16章 next2012
年に一度、年に最後のイベント大晦日。彼は仕事が正月休みで実家に帰っている。父親も実家だ。
私は去年から飲食店でバイトをしている。パートさん達や高校生も帰省。年中無休の職場。私はもくもくと働いている。
時折、お客さんに言われる「ありがとう」に頬を緩め、助けられる。
お店に徐々にいなくなる人。一組になった時、お客さんのワンセグテレビからカウントダウンの音が聞こえた。
「3.2.1ハッピーニューイヤー!」
時計を見ると0時を差している。私の上がり時間だ。
「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」
「あけましておめでとう。こちらこそ今年もよろしくね」
「では、お先に上がります。お疲れ様でした」
「お疲れ様」
先輩と短い会話をするとバッグルームに下がる。携帯を見る。彼からだ。
「あけましておめでとう。今年もよろしく。来年も再来年もその先もずっと大好きだ」
私は嬉しくて彼に返事を打つ。
End