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1P短編集

第17章 笑顔の君で

「私ばっか撮られてずるい!」

そう言うと彼女は、カメラを手に僕を撮る。その悪戯な笑みが愛しくて、僕は彼女を写してしまう。ファインダーに写る彼女の姿はきらきらと眩しくて、僕は彼女に微笑みかけた。

「だって、君の笑顔が悪いんだよ」

「なにそれ!」

 クスクスと笑う彼女の笑顔がやっぱり僕には眩しくて、シャッターを切らずにはいられない。ずっとそのままの君で。そのままの笑顔で――。

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