テキストサイズ

誰も見ないで

第4章 真実と真実


扉が開くなりそう言った正樹は今日も俺の看病をしてくれるみたいで、熱を測ったりご飯を作ったりと色々してくれる


ほんと、お母さん


そこから動くな、と念押しされた俺が布団の中からそう考えながら眺めてると、やることがひと段落したらしい正樹が漸く落ち着いて座った


「それで、昨日はどうしてあんなことになったのか詳細を教えてくれる?」
「……うん」


正樹に聞く権利、あるもんね


俺は昨日、というかちょっと前から紺野君の様子がおかしかったこと
それから11時にデートに行く約束をしてたこと
でも当日紺野君は来なくて、連絡も返ってこないこと

全て話した


「……紺野君に湊斗が何か怒らせるようなことした?」
「した……のかなぁ……全然思い当たらないけど……」


やっぱり可能性が1番高いのはそれだよね
何しちゃったんだろう


「けど、連絡もなく……か……」


顎に手を当ててうーん、と正樹も一緒に考えてくれるけど、そこまで怒らせるようなことがあった理由はやっぱり見当たらない


俺の主観だから、仕方ないけど


「……ッゴホ、ゴホ」
「大丈夫?」
「だい、じょぶ……」


突然咳をする俺を正樹が心配そうに見てる

ストーリーメニュー

TOPTOPへ