誰も見ないで
第4章 真実と真実
紺野目線
一目惚れ、なんて信じてなかった
人を好きになるっていうのはもっともっとじっくり時間をかけてゆっくり思いを高めて行くものなんだって
ずっとそう信じてた
けどあの日
入学式の日
僕の考えを全て壊した人がいた
あの日
入学式がある体育館の前に貼り出されたクラス編成の紙を確認してから体育館へと向かう途中
「あ、ごめんね」
僕は人とぶつかってしまった
先に謝られてしまって、僕も急いで「ごめんなさい」と続けて謝る
その時パッと顔を見たその人も十分カッコいいなって思った
「湊斗」
と呼ばれたその人がもう1人の男の子と歩き去って行くのを見送っていると、その人に大勢の女の子たちからの視線が注がれている
やっぱり
かっこいいもんね
でも僕のその考えは半分正解で半分は間違ってた
視線を注がれてたのは「湊斗」と呼ばれたその人だけじゃない
その隣をあるいてた人にも同じだけ
ううん、それ以上の視線が注がれてたから
僕がその時名前も知らなかった渡辺君の顔を見たのはほんの一瞬だけ
原君と一緒に歩いてる時、肩に乗った桜を手ではらった
その瞬間だけ
でもその一瞬だけでも僕の視線と心を持って行くには十分だった
一目惚れ、なんて信じてなかった
人を好きになるっていうのはもっともっとじっくり時間をかけてゆっくり思いを高めて行くものなんだって
ずっとそう信じてた
けどあの日
入学式の日
僕の考えを全て壊した人がいた
あの日
入学式がある体育館の前に貼り出されたクラス編成の紙を確認してから体育館へと向かう途中
「あ、ごめんね」
僕は人とぶつかってしまった
先に謝られてしまって、僕も急いで「ごめんなさい」と続けて謝る
その時パッと顔を見たその人も十分カッコいいなって思った
「湊斗」
と呼ばれたその人がもう1人の男の子と歩き去って行くのを見送っていると、その人に大勢の女の子たちからの視線が注がれている
やっぱり
かっこいいもんね
でも僕のその考えは半分正解で半分は間違ってた
視線を注がれてたのは「湊斗」と呼ばれたその人だけじゃない
その隣をあるいてた人にも同じだけ
ううん、それ以上の視線が注がれてたから
僕がその時名前も知らなかった渡辺君の顔を見たのはほんの一瞬だけ
原君と一緒に歩いてる時、肩に乗った桜を手ではらった
その瞬間だけ
でもその一瞬だけでも僕の視線と心を持って行くには十分だった