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誰も見ないで

第1章 告白


「天使がいる……?」


いつもは眼鏡に反射した光と長い前髪で隠されていた目元には、髪と同じで真っ黒で長い睫毛に縁取られた大きな目があって

小さいけど形のいい鼻と薄いピンク色の唇が、女の子よりもずっと綺麗で

いるわけもない存在を信じてしまいそうになるぐらい、紺野君が


「……かわいい……」


俺の言葉に紺野君がキョロキョロと周りを見回し始める


「?」


そして不思議そうな顔をしながら俺をもう1度見たんだけど、その時には俺はもう


な……っ
何言ってんの俺……!!!

恥ずかしい!!!


自分の台詞があまりに恥ずかしいものだったってことに気がついて、勢いよく俯いてしまった


「? 渡辺君?」
「ご……ごめん。やっぱりちょっと眠いから、次の授業はサボる……」


俺がそう言うと、上から


「わかりました。それじゃあ、先に教室に戻ってますね」


って声が降ってきて、歩く音の後扉を開けて閉める音がして屋上は完全に俺1人になった


授業サボるとか
ダメな人って思われたかな

でも顔赤いの知られたくなくて


…………けど、ダメな人って思われるのも……嫌だな……


俺はその後凄まじい後悔の波に襲われながら、1時間たっぷり顔と頭を冷ました

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