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誰も見ないで

第4章 真実と真実


「……それで、渡辺君が……僕の告白を受け入れてくれた理由も……聞きました……」


僕がそう言った直後、さっきの僕みたいに渡辺君が突然謝罪をしてきた


「ごめんなさい!!!」
「!」


これってやっぱり、断られるってこと
だよね

わかってたけど


でも、その後に続いた渡辺君の言葉は僕が考えていた結末とは真逆のものだった


「ずっと言わなきゃって思ってたんだ……最初は……その、友達が欲しくて、オッケーしたって……けど、紺野君のこと本当に好きになってからは余計な誤解を生むだけだから言いにくくなっちゃって……」
「…………え?」


渡辺君が僕の手を取って、じっと目を見てきた

綺麗な顔で見つめられて鼓動が速くなる


なに……?
僕のことが、本当に好き……?
……え……


パニックになる頭の中とは裏腹に渡辺君は熱っぽい視線を僕に注ぎながら尚も続ける


「騙していてごめんなさい。でも、紺野君のことが好きです。俺と付き合って貰えませんか?」


そして改めて告白の言葉が渡辺君の口から出ると、僕の頭は本当に真っ白になって


「……っ」
「紺野君!?」


昨日の悲しんでたこととか思い出してまた涙が出てきてしまった

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