誰も見ないで
第5章 好きになんて(サイドストーリー)
するとそれを見届けた相原大和は保健室を出て行った
何がしたかったんだ
突然現れて、保健室まで拉致して
しかも体温計らせたら満足して出て行った……
今日は帰ろうかなぁ、とぼーっとしながらベッドに座っていると、暫くして体温計が計り終わったことを知らせる電子音を鳴らす
どれぐらい熱があるんだろう、とそれを取り出そうとした瞬間
「!」
ガラガラ、と扉が勢いよく開いて相原大和が入って来た
戻って来た……
「終わったか。貸せ」
そして俺の手から体温計を奪って行って、代わりにスポーツドリンクを持たされる
「微熱より若干あるか。それ飲んでろ」
体温計を確認して、感想を述べて
俺に待たせたスポーツドリンクを指差しながらそう言うと相原大和はまた保健室を出て行った
俺のために買いに行ってた……?
いや、そんなことない……よね……?
というか「飲んでろ」って飲んで待ってろってこと?
熱のせいなのか予想外の出来事が起こっているせいなのかわからないけど、とにかく頭が回らなくて
もういいや
なるようになれ
俺はベッドから動かずにスポーツドリンクを開けて飲み始めた