誰も見ないで
第5章 好きになんて(サイドストーリー)
するとやっぱりさっきの飲んでろは「飲んで待ってろ」だったみたいで、相原大和が戻って来た
「行くぞ」
この時間に何してたんだろ、なんて考えてたら
目に入って来た相原大和の手には何故か俺のカバンが握られている
俺の教室にカバン取りに行ってくれたのか
ありがた……
い、と心の中で言おうとした直前、気づく
あれ
今って授業中?
その中相原大和が俺の教室に?
しかも
俺の席なんて知ってるわけないから誰かに教えて貰うか取って貰うかした?
「!!!」
やばい
変な噂立つ……
ヤンキーと友達
ヤンキーに脅されてる
あぁぁ……やばい
次学校に来た時すごい言われ
とそこまで考えたところで
「立て」
と相原大和に腕を引かれて立たされた
あまりの力の強さと熱のせいでよろけると
「おっと。悪い」
相原大和の胸で受け止められる
うわ、引くわ
何ちょっとときめいてんだよ
男同士だろ
しょっちゅう喧嘩をしていることの賜物なのかなんなのか、相原大和の胸板にはしっかりと筋肉が付いていて分厚い
「熱があるの忘れてた。大丈夫か?」
そしてこんな風に気遣われながら